20230503-舞台『ホロー荘の殺人』

舞台『ホロー荘の殺人』を観た。初日。

原作は、泣く子も黙るアガサ・クリスティ。格調高い三越劇場にて、古き良きミステリーを、クラシカルな演出で。三越劇場は初めてだったけど、エスカレーターを登っていくと突然目の前に劇場改札が現れるのでびっくりした。

いかにも殺されそうな男が一人と、彼を殺害する動機たり得る関係を持つ人間が多数。一人ひとりと疑いが晴れていき、最後に残ったのがまさかの……というお話。おもしろかったです。三単一の法則に則った作劇。劇場の雰囲気や客層も相まって、本当に少し昔にタイムスリップしたようだった。

初日はとにかく旺なつきさんが笑いを掻っ攫った!カテコでテルさんが第一声「こんなに笑いが起こるとは…」と仰ったくらい。旺さん演じるルーシーの飄々とした、けれど仄かに冷酷さを漂わせるキャラクターがとても良かった。ベテランの俳優さん方が作品を支え、引っ張っていたような印象。さすがでした。

テルさんを観たのはいつぶりだろう。最初、声と後ろ姿だけではテルさんとわからなかった。それくらい私の記憶の中のテルさんとギャップがあった。とても自然な、それでいて緻密な声音と表情の変化。相変わらずすらりとかっこよかった!最後のパンツスーツ姿に惚れ惚れした。

あやなさんは幕が開いてしばらく経ってからの登場。鮮やかな赤いイブニングドレスで姿を現した瞬間、舞台がぱっと華やいだ。初登場シーンでは、いかにも「宝塚の娘役さんが演じる大女優」の発声で話すなあ、と思っていたら、彼女が去った後ルーシーが一言、「名演技ね」とオチをつけたのが面白かった。あやなさんご本人が書かれていたように、あやなさんから遠くかけ離れた女性だからか、ヴェロニカとあやなさんが一体化しているようには見えなかった。「あやなさんがヴェロニカ・クレイを演じている」という当たり前の状態を見られてなんだかほっとした。薫はむしろ怖かったから。

紅さんの夫に言い寄るあやなさんと、そんなあやなさんをじっとりと見る紅さん…の構図が奇妙でおかしかった。まさかこんな関係の二人を見る日が来るとは。

まだあと数回観劇予定。全体を知った上でまた観るのが楽しみです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA