20230519-『かげろうのむこうで』

斉藤洋さん『かげろうのむこうで(翔の四季 夏)』を読んだ。ネタバレあり感想。

小学生の男の子が、ちょっと不思議な人たちと、ちょっと不思議な一夏を過ごす物語。

「ちょっと不思議な人たち」というのは、元社長のおじさんとおじさんの飼い犬のジャーマン・シェパード、霊感のある友達、同じマンションに住む芸能人、生真面目なお父さんなど。「ちょっと不思議な一夏」というのは、偶然出会ったおじさんの飼い犬を週2回散歩させることになったり、友達が学校の先生を好きになったり、芸能人と秘密を共有したり、幽霊を見たり見なかったり。

主人公の翔は、中学受験に向けて進学教室に通う男の子。思慮深くきっちりした優等生なので、こちらがハラハラしてしまうような言動・行動はない。他者との距離感や考え方が現代的。好きな主人公です。この後彼がどんな経験を積んでいくのか知りたい。シリーズ続編も読みたくなりました。

印象に残ったのは、友達の持つ「見える/見えない」の感覚を翔なりに解釈する場面。季節や天候によって見えたり見えなかったりする富士山を自宅マンションから眺めながら、「こういうことなのかも」と想像する翔は、優しくて賢い。

物語の最後に、素敵な人や動物が死を迎えてしまうのはつらかったけど、描かれ方が穏やか。翔と一緒にショックを乗り越えられた。

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