20230601-トンデモラッキー

出勤途中で、頭に鳥のフンをくらった。

いつもの時間に、いつも通り、いつもの道を歩いていた。ラーメン屋の隣あたりで、頭のど真ん中に小さな衝撃。一瞬で「やられた」と理解した。恐る恐る左手の小指で触れてみると、フンが少しだけ指先についた。そこで確定。私は頭のど真ん中に、鳥のフンを受けたトンデモラッキー人間になった。

職場までは歩いて10分弱の距離。とりあえず歩みを進めなければならない。最初は少し頭を下げて歩いていたけど、そうすると向かい側から来る通行人に頭上のフンを見せびらかしてしまっていることに途中で気づき、背筋を伸ばしてまっすぐ前を向いて歩くようにした。それでも頭上の異物は目に入るだろうから、一応手で覆い隠した。

しばらく歩くと、職場の先輩の背中が見えた。早歩きで先輩に近づき、挨拶するや否や「私、頭に鳥のフンくらいました!」と報告。驚く先輩。でも先輩は冷静で、近くの公衆トイレを指して「とりあえず洗ってきな!」とアドバイスしてくれた。出勤時間が迫っていたけれど、こればかりは仕方ない。「職場のみなさんに伝えておいてください」と言い残して、公衆トイレに駆け込んだ。

公衆トイレで頭を洗ったのは初めてだった。誰が何を流したかもわからないシンクで、一心不乱に前髪付近の髪を洗い流した。途中、普通にトイレを利用しに来た女性がいて、入口で一瞬立ち止まったのが視界に入った。そりゃそうだ。お世辞にも綺麗とは言えないトイレで頭を洗っている成人女性と出くわしたら、足が止まるだろう。「違うんです、ただ頭を洗っているわけではなくて、先ほど頭に鳥のフンを受けまして」と釈明したくなった。

でも、今回受けた鳥のフンはさほど大きくなくて助かった。以前、トンビか何かのフンを肩に受けたことがあるのだけど、あれは凶悪だった。体が大きいとフンも大きい。あれはグロテスクだった。今回のは、たぶんスズメか、せいぜいハトだろう。

さらに助かったのは、職場にドライヤーがあったこと。少し遅刻して職場に入ると、先ほどとは別の先輩がドライヤーをセットして待っていてくれた。「大丈夫?」と言いながらドライヤーを差し出してくれたとき、嬉しくて嬉しくて「好きです」と言いそうになった。

それにしても、ただ街を歩いていたら頭にフンがヒットするなんて、そう経験できるものじゃない。私もびっくりしたけど、もし私が鳥側だとしてもびっくりしただろう。恐らくその鳥は雑居ビルの屋根か、電線の上にとまっていた。そこで何気なくフンをしたら、下を歩く人間の頭に着弾したのだ。高さもある。人間の歩くスピードもある。複数の条件を掻い潜って、自らの落とし物が通行人の頭に。これはすごい。私も鳥もラッキーだ。

実は、身体に野鳥のフンをくらうのは初めてじゃない。これで5回目。中学生の頃から始まって、肩や、胸や、手や……。私は何を引き寄せているのだろう。

今後は帽子と日傘。これだな、必勝法は。

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